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新町紡績所の変遷
!日本で最初の官営絹糸紡績工場 新町紡績所
                           平成27年 7月 8日 国重要文化財指定
                           平成27年10月7日 国史跡指定



 
 新町紡績所は、高崎市新町にあり、温井川と国道17号の間に位置している。明治初期、蚕の繭から作る生糸は我が国の主力輸出品だったが、生糸を作る製糸の過程で生じる屑糸や屑繭は安価で海外に輸出されていた。明治6年オーストリアのウィーン万国博覧会に出席し、イタリアやスイスの絹糸紡績工場を視察した佐々木長淳は、絹糸紡績工場を設立し、屑糸や屑繭から紡績絹糸を生産する重要性を明治政府に上申した。明治8年製糸が盛んな地域で温井川の水を動力に利用できることから、新町が工場用地に選定された。明治9年2月に建築工事に着手、同10年7月に操業を開始し、同年10月20日には開業式が行われた。開業式は、内務卿大久保利通、大蔵卿大隈重信、工部卿伊藤博文、群馬県令楫取素彦など政府の高官が多数参列する盛大なものであった。このことからも我が国最初の官営絹糸紡績工場として、明治政府が同工場に寄せた期待の大きさが伺える。新町紡績所は佐々木長淳を総括とし、ドイツ人の指導を受けながら大工の山添喜三郎ら日本人の手で建設された。希少な木造の工場建築がほぼ完全な状態で残り、明治初期の建築技術をよく示しているため、歴史的に高い価値を持つと評価された。また、明治期の絹糸紡績工場として唯一の遺構であり、絹糸紡績業の発展の過程を示すものとして、学術的な価値が認められた。現在、新町紡績所の建物などは、クラシエフーズ株式会社が所有し、同社の製造工場や事務所、倉庫などとして使用している。                                                        
 【国指定重要文化財】
 ○工場本館  明治10年建築の官営期工場部と明治中期から後期にかけて段階的に増築された部
        分からなる。木造平屋建 6572.93u
 ○機関室   明治31年頃の建築 煉瓦造 平屋建 一部地下一階
 ○修繕場   明治10年頃の建築 木造 平屋建
 ○倉庫    明治30年頃原料倉庫として建築 煉瓦造 平屋建
 ○二階家煉瓦庫  明治27年頃製品倉庫として建築 煉瓦造 二階建

                                                  


                                     黒澤康弘氏所蔵 
≪ 新町紡績所 1877年 ≫ 

新町紡績所の特徴
1. 日本初の絹糸紡績工場
2. 内務省勧業寮の経営(〜明治20年)
3. 日本人設計による最初の本格的工場建築
4. ドイツ・スイスからの技術導入
5. 蒸気動力・水車動力の併用工場
6. 明治政府の大きな期待

☆ 年会費 1000円! 


お問合せ先:「よみがえれ!新町紡績所の会」事務局
群馬県高崎市新町2270-12 高崎市新町商工会内
TEL 0274-42-0930 FAX 0274-42-5413
E-mail:shokokai@shinmachi.or.jp

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